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本年も、ありがとうございました。






 おだやかな大晦日になりましたね。

 この<なにわ歴博ブログ>も、1月に開始し、昨日まで250回を数えました。
 しばしば、「読んでますよ」と声をかけていただきました。やはり、多くの方にお読みいただいていると思うと、励みになります。
 ご愛読ありがとうございます。

 新年は、辰年。「昇り竜」という言葉がありますが、明るく素晴らしい年になるといいですね。

 みなさん、よいお年を!



   大阪歴史博物館は、1月5日(木)より開館します。
   1月7日(土)より、特別展「柳 宗悦展 -暮らしへの眼差し-」を開催いたします。




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学芸員の年賀状は…






 みなさんは、もう年賀状お書きになりましたか?
 私は毎年たいへん遅いのですが、今年は昨日投函しました。


   年賀状


 近年は、デザインも宛名もパソコンで出来てしまいますから、すぐに仕上がってしまって味気ない気もします。
 みなさんは、どんな年賀状を作られているのでしょうか?

 何事も“数えてしまう”私は、年賀状でも数えてみました!
 自分がいったい、どういう人に出しているか、ということ。

 ヘンな分類かも知れませんが、宛先を<学芸員・研究者>と<一般の人(友人・親戚等)>に分けて、数えました。

 すると…
 
 <学芸員・研究者>が77%、<一般の人>が23%でした。

 ん~、思っていた以上に前者が多いなぁ。

 ちなみに「研究者」とは、大学の先生や自治体史編纂(○○県史みたいなもの)の方、文化財行政に携わっている(教育委員会など)方などです。

 なお、<学芸員>と<研究者>の比率は、54%:46%でした。ほぼ半々ですね。

 さらに、<学芸員・研究者>を地域別に分けると、関西(三重県含む)が3分の2、それ以外が3分の1でした。
 やっぱり、学芸員のつきあいは全国に広がっていますから、関西以外が多いですね。関西に含めましたが、三重県も案外多かったです。

 年賀状を出す枚数も、私自身は、最盛期に比べると、2~3割減っています。

 IT時代になって、新年の挨拶もメールで、という方もいる昨今。さすがに私は、まだそこまで割り切れないでいるのでした。 




<ミシュラン>に掲載されている…






 先日、外国人ツーリストがスパワールドに行く、という話を書きました。
 そうしたら、同僚が教えてくれたのですが、スパワールドは<ミシュラン>に載っている! というのです。
 驚いて、調べてみました。

 <ミシュラン>といえば、あの赤い表紙の、料理店が載ったガイドをイメージしますよね。でも、それ以外の<ミシュラン>もあったのです。
 それは、緑色の表紙の旅行ガイドです。その名も、『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』。フランス語版と英語版があるそうです。

 そのうち、2011年5月に、フランスで改訂版が出版されたそうです。ウェッブ上で、その掲載地リストが見られるというので、さっそく見てみました。

 すると、なんと! 大阪歴史博物館も掲載されているのです!!

 ただし、★は、なしですが…

 ということで、ちょっとご紹介。

 関西の観光地などは、<京都と関西>という章に入っていて、早くも京都中心ですが(笑)、大阪では26か所が掲載されています。

 ★★★はなく、★★は、大阪(全体ですかね)、梅田スカイビルからの眺望、道頓堀周辺、そして海遊館。
 えっ、それだけ!?

 まあ、そんなもんですかぁ。

 ちなみに、★1つには、大阪城、東洋陶磁美術館、法善寺横丁、国立文楽劇場などがあがっており、スパワールドも入っています。
 ちなみに、★なしには、当館のほかに、大阪市立美術館や四天王寺、新世界、ピースおおさか、USJなどが入っています。USJが★なしかぁ。まあ、日本でなくてもありますしね、テーマパークは。

 ちなみに、神戸では「神戸市立美術館」(神戸市立博物館だと思いますが)だけが、★★です。「南蛮画」が評価されているみたいです。

 国内の博物館施設では、東京・京都・九州の3国立博物館が★★★なのですが、なぜか奈良国立博物館は★★。そして、関西では、ミホミュージアムが★★★です。

 全体リストを見ていると、フランス人の日本への視線が感じられて、おもしろいです。
 大阪市内でも扱っている書店があるようですが、買えても読めないですよねぇ。でも、興味深いガイドブックです。




迎春の展示替






 博物館の常設展示は、「常設」と言いながらも、頻繁に展示替されている――ということは、このブログの読者のみなさんなら、よくご存知だと思います。

 最近、替わった展示(いずれも常設展示・7階)。


   古曽部焼
   古曽部焼(こそべやき)です


   岸和田の新聞
   岸和田の新聞です


   切嵌細工
   切嵌細工(きりばめざいく)です


 岸和田の新聞、切嵌細工の説明は、当館ホームページ新着情報をご覧ください。


 ところで…
 昔は、先輩の学芸員から、年末には展示替をせんといかん、とよく言われたものです。

 年の瀬という雰囲気も薄くなった昨今、新年に向けて展示替するという感覚は薄らいだのかも知れません。
 今回は、簡単な展示替ですが、2コーナー替えてみました(常設展示・7階)。


   新年の引札


 おめでたく<新年の引札>です。
 「引札(ひきふだ)」とは、チラシのことです。商家などが配布するもので、新年の挨拶として配るケースも多かったのです。
 七福神や鶴亀といっためでたい図柄や、暦(カレンダー)がついたものが一般的です。


   コウノトリ映像

   コウノトリ映像


 こちらは、コウノトリの映像(8mmフィルム)です。
 昭和12年(1937)に、兵庫県の出石(現・豊岡市)で撮影されました。戦前のコウノトリの動く映像は、現在のところ、これしか確認されておらず、たいへん貴重です。
 もと船場に住んでいたF家の家族が、昭和の初めに西宮市に転居し、数年後、観光でコウノトリを見に出掛けたのです。
 出石の「鶴山」という丘で、小屋掛けした茶店からコウノトリの営巣風景を眺めている映像です。

 で、なぜ迎春でコウノトリ?

 実は、コウノトリは、昔は「瑞鳥」と言われており、縁起のよい鳥とされていたのです。日清・日露戦争の頃は、瑞鳥=「瑞兆」(縁起がよい兆し)ということで、ちょっとしたブームだったといいます。
 また、一般には、ツルと混同されていて、ふつうは「ツル」と呼ばれていました。フィルムの寄贈者のFさんも、お父さんに「ツルを見に行こか」と言われて、出石に出掛けたそうです。

 ということで、めでたい鳥の映像を展示替しました。

 新年にご来館いただき、お確かめください。


 ※大阪歴史博物館は、年内は12月26日(月)まで開館。12月27日(火)~1月4日(水)は休館となります。






戦前の8mmフィルムを修復しています






 大阪歴史博物館には、さまざまな資料が収蔵されています。
 そのなかで、やや特殊なものが、戦前の映像(動画)フィルムです。

 戦前のフィルムは、劣化が激しいため、そのまま映写できないものが多数を占めます。
 そのため、専門的な処理を行いながら、内容を確認していきます。
 その方法については、このブログでも、映像フィルムの保存・修復として紹介していますので、ご参照ください。

 現在、かつて寄贈いただいた昭和10年代の8mmフィルムについて、内容確認、および16mmフィルムへの置き換え作業(ブローアップ)を行っています。
 先日、この作業を行ってくれているIMAGICAウエストを訪ねて、作業のようすを見てきました。

 この8mmフィルムは、このような缶に入っています。


   フィルム修復


 缶の底面です。タイトルが貼ってあります。


   フィルム修復


 これがフィルム。よく見ると、白い粉を吹いているのが分かります。少し状態が悪いですね。


   フィルム修復


 左上の方が折れ曲がっていますが、全体にカールしており、いわゆる“ワカメ状”になっています。
 担当の方と打ち合せましたが、このような状態でも、熱を加えるとフィルムが平らになるので、作業が可能になるということです。

 IMAGICAウエストには、状態の悪いフィルムでも内容確認できる特殊装置があるので、今回のフィルムも少し見てみました。

 その多くは、旅行時に撮影されたもので、例えば京都や和歌山の名所・風景などが写されています。
 なかにはカラー映像もあり、戦前としては珍しいですね。
 1本1本、内容を見ていくと、どれも興味深いものばかりで、すべてブローアップ&デジタル化したい気持ちになってきます! でも、大人の事情で、今年は2本しかできないんですよねぇ。残念…

 少し見ただけでも、“これは貴重かも”という映像も含まれており、これから調査を進める予定です。

 今年度は、2本のフィルムについて、16mmフィルムへのブローアップとデジタル化を行います。
 作業と調査には、もう少し時間がかかりますが、いずれご報告したいと思います。

 約75年前の映像がよみがえるなんて、とても魅力的なことですね!!

 完成の暁には、ぜひご覧ください!


 ※なお、これまでにデジタル化した映像の一部は、当館7階の常設展示室でご覧いただけます。





今年まだ見られる展覧会 -「夢二とともに」-






 明日から3連休ですね。

 クリスマスもありますが、今年最後に博物館・美術館へ行ってみるのもいいですよね。
 
 大阪歴史博物館に来ていただきたいのはもちろんですが(笑)、まだ見られる特別展も他館ではやっているので、ひとつご紹介します。

 京都国立近代美術館で開催中の<川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに>です。


   夢二とともに


 神戸を愛した版画家・川西英(かわにし・ひで、1894-1965)が集めた作品・資料の収蔵記念展で、そのなかでも多数を占める竹久夢二の作品を中心に陳列する展覧会です。

 私は、前々から川西英の作品に得も言われぬ魅力を感じ、ひかれてきました。そのくせ、ぜんぜん勉強せず、川西英のことを何も知らなかった。そこで今回、この展覧会が開催されると聞いて、ぜひ行ってみようと思ったのです。だから、竹久夢二の作品が見たいという多くの皆さんとは異なった関心で、この展覧会を拝見したのでした。


   画集神戸百景 『画集 神戸百景』(シーズ・プランニング)


 川西英は、熱烈な夢二ファンだったそうです。年齢は10歳しか違いません。川西は日清戦争の年に生まれ、夢二は明治17年生まれです。

 まず、冒頭のノゾキケースに展示されている、ティーンエイジャーの川西英が模写した夢二のコマ絵。
 うまいなぁ、と感心させられます。でも、ちょっと冷静になって、(いまの中高生でも、絵がうまい生徒はこのくらい描くよな)と自分を落ち着かせる(笑)

 しばらく進むと、川西英が集めたサーカスのチラシ類が! 最近、見世物興行に少し関心を持っている私は、食い入るように見てしまう。熱心に見ていると、外国人の女性に「これは日本で印刷したのか?」と尋ねられたりもする(笑)

 ケースや壁面の前にずらっと列をなすお客さんたち。私もひと通り見て、最後の2つの章になって、また熱が入ってしまう。それは、夢二以外の作家の作品です。

 恩地孝四郎の版画、やっぱりいいなぁ。中国で撮った写真も、すごくうまい!

 高見澤路直という人の抽象版画。えっ、これって「のらくろ」の田河水泡なのか!! こんなのも、やっていたんだ。

 安井曽太郎の版画。版画は初めて見たけど、意外と斬新。

 北村今三。知らない作家だけど、大阪の版画がたくさん。この「四つの橋」、とてもすてき! 四ツ橋だ。「大阪風景」は、中之島から見た難波橋と北浜のビル群。この人の作品、とても小さいけど、もっと見たいなぁ。

 おっ、前川千帆。この人は断片的な漫画でしか知らないけど、「閑中閑本」なんてシリーズがあるのか。「温泉譜」というシリーズもあるそう。見てみたい…

 と、なぜかラストでひとり盛り上がってしまったのです。
 ところが、これで終わらなかったのでした。

 階段をあがって、所蔵品を展示するコレクション・ギャラリーへ。
 ここで、川西英の版画に出会ってしまったのです。

 まず自画像2点。単色のやや抽象的に彫ったものと、彩色のもの。どちらもすばらしい。特に、色を使っているものは、川西英らしい明るい色合いで愉しいです。セーターに、サインで使っている「英」マークが入っているのも、おちゃめだなぁ。
 静物版画も初めて見たけど、意外にいい。珍しいところで、京都の風景もあり、「石庭 龍安寺」は、白にエンボスで砂を表現。色を抜いても、いいなぁ。他に、サーカスものや神戸の風景など。
 
 1階におりて、図録を購入するとともに、置かれていた川西英の『画集 神戸百景 川西英が愛した風景』(シーズ・プランニング)も求めてしまいました。

 川西英というと、神戸の風景版画が有名だけれど、今回はそれにとどまらない作品もあるとわかって嬉しかったです。

 京都国立近代美術館の特別展「夢二とともに」は、12月25日(日)まで開催中です。





あと10日






 早いもので、今年もあと10日ですね。

 昨晩の夢で、メタセコイヤの並木を見たので、それを見に出掛けました。


   無題


 滋賀県高島市マキノ町。

 暮れのせいか、あまりのんびりとはいきませんでしたが…

 まわりは、もう雪が積もっています。


   無題


 今春、2月末に訪れたときも、路傍に雪が積み上げられていましたが、もうすでに雪。
 改めて、同じ関西でも違うものだと感じます。(こちらは2月の記事です

 大阪歴史博物館は、年内は12月26日(月)まで開館しています。





シンポジウム<中世「山の寺」研究の最前線>開催






 昨日今日と、大阪歴史博物館では、シンポジウム<中世「山の寺」研究の最前線>が開催されました。

 私も、今朝、仕事の合間に聴きましたが、なかなか興味深い内容。参加者も百人を優に超える盛況ぶりでした。

   山の寺シンポジウム


 このシンポジウムは、科学研究費補助金「日本中世における「山の寺」(山岳宗教都市)の基礎的研究」の成果報告会です。
 東北から九州まで全国から講演者があり、大勢の研究者、一般の方が参加されました。
 当館の大澤研一学芸員も報告しています。

 大阪歴史博物館では、折にふれて、このような学術シンポジウムを開催しており、博物館の研究機関としての側面を垣間みることができます。 





海外のツーリストが、こんなところへ?






 大阪や京都には、世界中から観光客が訪れますよね。

 京都の社寺、金閣寺とか清水寺とか、あるいは大阪だと大阪城とかUSJとか家電量販店とか。
 もちろん、当館にもたくさん来館されます(特に韓国の方が多いのです)。

 先ほど、阪急電車に乗っていたら、外国人のカップル、たぶん30歳位でしたが、観光情報を検索しながら、4人掛けシートの前のサラリーマン男性に何やら話しかけている。彼が返事しないので、斜向かいに座っていた私が仕方なく引き取ったのですが…

 なんと、その欧米の男性が言うには、<自分たちは、これから“スパワールド”に行くんだ>と、めちゃくちゃうれしそうです。
 うれしいから、日本人に言いたかったのかも知れない。

 で、私は、”えっ、外国人ツーリストがスパワールド!”と、かなりびっくりしたのです。<あなたも行ったことあるか?>と聞くのですが、さすがにねぇ、私は行ったことがありません。
 さらに話してくるので、<そう、いろんな温泉がたくさんあるよ>と答えておきました、片言の英語で…

 でも、意外なところを探すのですね。
 たしかに、欧米にもスパはありますけれど、日本の温泉みたいなのはないし、ましてスパワールドみたいな“世界の温泉天国”はないですものねえ。
 わざわざ行く価値があるかも知れない。

 いまインターネットでウェブサイトを検索したら、やっぱり英・中・韓の各国語で展開されていました。
 ワールドワイドなんですね。

 海外からのツーリストも、意外にマニア化しているのかも知れない、と思った一日でした。



山岸常人『塔と仏堂の旅』






 最近、なぜか神社仏閣を訪ねることが多い。また、年齢のせいか?、若いころに比べて、<信仰>というものに理解が増してきたような気がする。

 いま読んでいる本が、山岸常人氏の『塔と仏堂の旅 寺院建築から歴史を読む』(朝日選書、2005年)だ。
 私自身、ここ数年、若い学生たちと<建物と人>という課題について考えている。これは、(歴史的な)建物は作り手の側からみるだけではなく、使う側からもみなければならない、という関心に基づいている。
 私は建築史が専門ではないので、これについて詳しく論じたことはないが、日ごろ頭の片隅にあり続ける課題である。


   塔と仏堂の旅


 そんななか、山岸氏の著作を知り、さっそく読み始めた。これが面白い。
 たとえば、仏堂(いわゆるお寺の「お堂」)について取り上げ、個々の仏堂がどう造られ変化していくのか、また古代・中世・近世と時代によってどう変遷するのか、丁寧に論じている。
 まず出てくるのが、唐招提寺。いきなり、8世紀末の伽藍の想像復元図が出てくる。
 いまも残る金堂と、その前に当時あった中門とをつなぐ「ロ」の字型の回廊が描かれている。
 現在は南大門と金堂の間は広い空間になっているのだが、かつてそこは回廊に囲まれた閉鎖空間(中庭)だったのだ。そして、そこで各種の法会が行われていた。金堂の正面は1間の吹き放しとなっていたが、それも法会を行う空間とみなせるという。
 なんだか、門外漢からすると、驚かされる。

 また、礼堂(外陣)・内陣・後戸からなる「中世仏堂」について、当麻寺の曼荼羅堂(本堂)を例に説明する。
 私のような素人は、外陣は参拝者のスペース、内陣は僧侶が儀式をするスペースなどと、簡単に理解していた。でも、そう単純ではないらしい。中世になって、寺院組織が複雑化し、僧侶の階層分化が起こると、スペースの使い方も複雑化するという。

 近世の仏堂については、浄土真宗の照蓮寺(岐阜県)を事例に解説されている。
 さらに、塔の話など、論は進んでいくのだが、私を驚かせる指摘に満ちていて書き切れない。知りたかった<建物と人>との関係を寺院建築に即して教えてくれるタイムリーな本。
 専門的な研究だが、図解をまじえて易しく説かれている。知的な愉しさにあふれた書物である。

 そんな山岸氏も講演されるシンポジウム「中世『山の寺』研究の最前線」が、12月17日(土)、18日(日)に、大阪歴史博物館で開催される。
 全国から専門家が集まり、17本もの報告がある。 

 詳しくは、大阪歴史博物館ホームページで! 



登録文化財に思う






 一段と寒さが厳しくなってきましたね。もう真冬の装いでしょうか。

 その寒い今朝、新聞各紙に、今期の登録有形文化財(建造物)の答申が報じられていました。
 全国で147件、房総半島の野島埼灯台、阿蘇山にある京都大学・火山研究センター、京都の平安女学院・有栖館などです。
 詳しくは、asahi.com をどうぞ。

 登録有形文化財(以下、登録文化財)の建築を登録前に見る機会は余りないのですが、今回のなかでは、有栖館を昨年拝見する機会がありました。
 京都御所の西側にある旧有栖川宮邸の建物です(「有栖館」という名称は平安女学院が2008年に取得されてからの呼称)。
 明治初頭の建築で、当初は御所の南、建礼門のところにありました。宮家が東京に移住したのち、京都裁判所の仮庁舎となり、明治中期に現在地に移されて裁判所長官舎として使用されていたのだそうです。
 中庭を「コ」の字型にとりまく平屋建の和風建築ですが、南側の2室は上段の間をもつ和室に加えて板の間があり、板の間は能を行うためのしつらえだったといいます。
 ふだんは公開されていなのですが、特別公開の折に内部を見学させていただきました。


   有栖館 2010年9月撮影(雨天でした) 


 有栖館は、いわゆる近代和風建築ですが、この種の建物も数多く登録文化財となっています。
 
 登録文化財の制度が始まってから、もう15年経ちます。建造物、とりわけ近代建築がよく知られているのですが、江戸時代の建築にも登録文化財はありますし、他のジャンル(美術品など)にも適用されています。
 ただ、8800件以上にのぼる建造物が、この制度の中核です。少し前、5000件を超えたと思っていたら、1万件も間近ですね。
 大阪府は、兵庫県と並んで登録文化財の建物が多い地域で、500件以上あります。みなさんのお宅の近くにもあるのではないでしょうか。

 この制度は、重要文化財の指定などに比べると緩やかな保護システムですから、登録抹消(つまり取り壊される)事例もなくはありません。しかし、建築物の保護においては、かなり定着し、文化財建物の所有者の方の多くに理解され、支持されている制度だと思います。この制度のおかげで、数多くの建物が保存・活用されていることは、よろこばしいことです。

 登録されると、緑色の金属プレートが付与されます。建物の外壁などに付けるのが正しい? 用い方なのでしょうが、プレートを土台に取り付けておられるところがあったり、桐箱に入れて保存されている! ところもあります。それだけ、登録文化財となることがステータスなわけで、保存に寄与していることは疑いありません。

 公共施設や個人オーナーがお持ちの建物は登録になっているケースも多いのですが、将来の取り壊しを視野に入れざるを得ない大規模ビルなどは登録になっていないものが多いのです。大阪でも、十分に重文になり得る(洒落でごめん)近代建築が、登録文化財にすらなっていないというケースもあります。この制度が果たした役割は大きいのですが、それだけで建物の保存が果たせるわけではありません。

 大阪歴史博物館には、建築史が専門の学芸員もおり、展示や講座・見学会などを通じて、建築文化財が持つ意義を普及しています。
 身近な文化財である建造物に、いっそうの関心を持っていただけると有り難いです。




特集展示「摂河泉の古瓦」、開幕しました!






   古瓦展


 12月7日(水)より、特集展示「摂河泉の古瓦-採集資料からみた古代・中世の寺院-」が始まりました。


   古瓦展


 ずらっと瓦が並んでいます。

 「摂河泉」とは、摂津・河内・和泉の3国を指します。旧国名で、ほぼ現在の大阪府にあたる地域です。
 この地域には、古代から寺院が造営されており、大阪歴史博物館の古瓦コレクションにも、それらの瓦が含まれています。
 今回は、国ごとにわけて、その瓦を展示する企画です。
 今日は、いくつかご紹介。


   古瓦展


 まず、摂津。こちらは、喜連東遺跡(大阪市平野区)出土の宝塔文軒丸瓦(大阪市文化財研究所保管)。
 門外漢の私などは、このような宝塔文の瓦は見たことがなかったのですが、今回は数点展示されています。時折、出土するのですね。なかに梵字が書かれています。デザイン的にみても、おもしろいです。


   古瓦展


 次に、和泉です。神於寺(こうのじ、岸和田市)で採集された巴文軒丸瓦(上)と連珠文軒平瓦(下)です。
 神於寺は、古代から密教・修験道の山岳寺院として開かれ、縁起によると開基は役行者とされています。この瓦は、軒丸瓦が12世紀後葉~16世紀、軒平瓦が12世紀末葉~13世紀前葉と考えられています。鎌倉時代(13世紀)には伽藍が整備されたと縁起にみえるので、もしかするとその頃のものかも知れませんね。


   古瓦展


 最後に、河内です。
 智識寺跡(柏原市)で採集された連珠文軒平瓦です。智識寺は奈良時代に創建され、大仏のあった寺として聖武天皇の行幸もあり、有名な寺院です。この瓦は時代はくだるのですが、同寺のおもかげをしのばせる遺品です。

 特集展示「摂河泉の古瓦」は、来年2月13日(月)まで、大阪歴史博物館・8階にて開催中です。
 
 12月17日(土)、1月21日(土)、2月4日(土)には、いずれも午後2時より、担当学芸員による展示解説があります。
 また、1月27日(金)午後6時30分からは、担当の加藤俊吾学芸員による講座(「大阪歴史博物館所蔵 古代・中世瓦の採集地をめぐって」)があります。なにわ歴博講座として開催します(参加費200円)。

 ぜひご覧ください!





プロフィール

なにわ歴博

Author:なにわ歴博
大阪歴史博物館

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