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アベノ界隈(1) ~立ち喰いそば~






 月曜火曜と、研修を受けている。学芸員の仕事に関することではなく、一般職員としての研修である。

 サラリーマンで「研修が好き」という人は、まずいないだろう。
 しかし、私の研修では、ひとつすばらしいことがある。それは、会場がアベノだということだ。阿倍野ベルタの近くにある。昔の研修所は旭区の住宅街にあったのだが、いつからか阿倍野に移転したのだった。

 昨年も、何回もここに通ったが、私のささやかな愉しみは、昼休みにJR天王寺駅まで歩き、構内で立ち喰いそばを食べることだった。
 ここには老若男女、あらゆる人がそばやうどんを食べに来る。私もそのなかに混じって、独り立ち喰いそばを喰う。僅か5分の行為が、自分の気持ちに大きな開放感や充足感を与えてくれる。

 立ち喰いそばが持っている独特の感覚は、いったい何なのだろう。

 新今宮、天王寺、鶴橋、京橋…。環状線の駅で食べる駅そばは、独特の風情を醸し出す。
 あるとき、鶴橋駅のホームで、そばを食べていた。駅そばの店員さんは女性が多いのだが、カウンターのなかで、二人が何やら話している。先だって別の店員さんが何か失敗したらしく、店長に叱られたようだ。
 それに対して、カウンターの女性が言った言葉。

 「うっかり、ぽっかりしたら、『人間ですもの』て云うといたらエエねん」

 ここには、世俗に生きる人間の哲学が息づいている。

 アベノの立ち喰いが好きなのも、生身の人間に混じって、ひとりの人間に戻れる…。そんな時間が何ものにも代え難いからなのだろうか。

  (この項、つづく)






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