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船の科学館の展示休止






 東京にある海事博物館<船の科学館>が、今年9月末で、本館展示を休止、また羊蹄丸の保存・展示を終了するという。

 船の科学館は、1974年の今日(7月20日=“海の記念日”)に開館した。船の形をしたユニークな建物で、海上には、巨大な“実物資料”である青函連絡船「羊蹄丸」や、南極観測船「宗谷」を展示してきた。

 船の科学館ホームページに、本館展示休止の事情が書かれている。施設・展示の老朽化が理由と書かれているが、発表文を読んでも、詳細はよく分からない。

 私が船の科学館を訪れたのは、12、13年前のことだったと思う。当時、大阪歴史博物館の建設を控えて、各地の博物館の展示を視察していた。東京方面でも、いくつかの館を訪れた。そのひとつが、船の科学館だった。

 ひとりで見に行った。目的は、少し前に完成した青森駅の復元展示を見ることだった。青森駅は青函連絡船の接続駅である。羊蹄丸を展示する同館にふさわしい復元といえた。

 コーナーに入ると、まず駅前の街路が復元されている。道の両側に屋台のような店が並んでおり、青森らしくリンゴや魚介類が売られている。店のおじさんやおばさんの人形が妙にリアルだった。物売りの声なども聞こえたように思う。

 駅構内には大きなストーブが置かれ、待合客でごったがえしている。船に乗る若い女性と男性が別れを惜しみ、悲しげな表情の女性がハンカチを振っている。
 いま本当に久しぶりに、その展示の光景を思い出した。

 見方によっては、人形のリアルさ、生々しさには、過度な面があったかも知れない。 しかし、当時展示づくりに没頭していた私は、長時間かけてこの復元を観察し、写真に撮って吸収した。とても参考になった。
 
 この復元は、葛飾区立郷土と天文の博物館の復元展示などとともに、大阪歴史博物館の近現代フロアづくりの参考となった。特に、青森駅前の復元は、<公設市場>店舗の復元に役立った。

 あと2か月。私にとっては<先生>ともなった同館展示が閉じられるとは、少し感慨がある。

 全国の海事博物館には、多くの観覧者を集めている施設がある反面、運営が苦しい館もあると聞く。船といえば、軍艦・海運・造船・港湾といったキーワードが想起され、それが博物館の展示ともなっている。しかし、時代の変遷とともに、若い世代を中心に“海離れ”“船離れ”が進んでいるのだろうか。

 船の科学館の再スタートと羊蹄丸の行く末を見守りたい。






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