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登録文化財に思う






 一段と寒さが厳しくなってきましたね。もう真冬の装いでしょうか。

 その寒い今朝、新聞各紙に、今期の登録有形文化財(建造物)の答申が報じられていました。
 全国で147件、房総半島の野島埼灯台、阿蘇山にある京都大学・火山研究センター、京都の平安女学院・有栖館などです。
 詳しくは、asahi.com をどうぞ。

 登録有形文化財(以下、登録文化財)の建築を登録前に見る機会は余りないのですが、今回のなかでは、有栖館を昨年拝見する機会がありました。
 京都御所の西側にある旧有栖川宮邸の建物です(「有栖館」という名称は平安女学院が2008年に取得されてからの呼称)。
 明治初頭の建築で、当初は御所の南、建礼門のところにありました。宮家が東京に移住したのち、京都裁判所の仮庁舎となり、明治中期に現在地に移されて裁判所長官舎として使用されていたのだそうです。
 中庭を「コ」の字型にとりまく平屋建の和風建築ですが、南側の2室は上段の間をもつ和室に加えて板の間があり、板の間は能を行うためのしつらえだったといいます。
 ふだんは公開されていなのですが、特別公開の折に内部を見学させていただきました。


   有栖館 2010年9月撮影(雨天でした) 


 有栖館は、いわゆる近代和風建築ですが、この種の建物も数多く登録文化財となっています。
 
 登録文化財の制度が始まってから、もう15年経ちます。建造物、とりわけ近代建築がよく知られているのですが、江戸時代の建築にも登録文化財はありますし、他のジャンル(美術品など)にも適用されています。
 ただ、8800件以上にのぼる建造物が、この制度の中核です。少し前、5000件を超えたと思っていたら、1万件も間近ですね。
 大阪府は、兵庫県と並んで登録文化財の建物が多い地域で、500件以上あります。みなさんのお宅の近くにもあるのではないでしょうか。

 この制度は、重要文化財の指定などに比べると緩やかな保護システムですから、登録抹消(つまり取り壊される)事例もなくはありません。しかし、建築物の保護においては、かなり定着し、文化財建物の所有者の方の多くに理解され、支持されている制度だと思います。この制度のおかげで、数多くの建物が保存・活用されていることは、よろこばしいことです。

 登録されると、緑色の金属プレートが付与されます。建物の外壁などに付けるのが正しい? 用い方なのでしょうが、プレートを土台に取り付けておられるところがあったり、桐箱に入れて保存されている! ところもあります。それだけ、登録文化財となることがステータスなわけで、保存に寄与していることは疑いありません。

 公共施設や個人オーナーがお持ちの建物は登録になっているケースも多いのですが、将来の取り壊しを視野に入れざるを得ない大規模ビルなどは登録になっていないものが多いのです。大阪でも、十分に重文になり得る(洒落でごめん)近代建築が、登録文化財にすらなっていないというケースもあります。この制度が果たした役割は大きいのですが、それだけで建物の保存が果たせるわけではありません。

 大阪歴史博物館には、建築史が専門の学芸員もおり、展示や講座・見学会などを通じて、建築文化財が持つ意義を普及しています。
 身近な文化財である建造物に、いっそうの関心を持っていただけると有り難いです。




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