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“迷走”って?






 さきほど、日本経済新聞の夕刊(2011年2月16日付)を見ていたら、大阪市立近代美術館の建設計画について触れられていた。


日経近美記事


 「大阪市が市立近代美術館を2016年度に完成させる計画を打ち出した」というリード文で始まる取材記事。構想段階から紆余曲折を経た計画について、経緯や現状をまとめている。
 この記事の見出しは、「『大阪市立近代美術館』なぜ迷走」。「迷走」という言葉、あまりよくないイメージである。でもね、文化をめぐる事象は、ときとして“迷走”するものなのだ。

 思い出したのは、オランダのアムステルダム国立美術館の改築計画。レンブラントの代表作「夜警」やフェルメールの作品などを所蔵する著名な美術館だ。
 この美術館は、19世紀後半に現在使用している煉瓦造の建物を建設。2004年になって、リニューアル計画が持ち上がった。
 その内実を詳しく知ったのは、映画「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」(ウケ・ホーヘンダイク監督作品)だった。



アムステルダム近代美術館


 映画の冒頭から、美術館の中を通る自転車などの通路の廃止をめぐって、自転車愛好家から鋭い反発を受ける。また、新築する高層棟について、その高さをめぐって問題化する。館長のキャラクターや、現代美術をどう扱うかなど、問題は山積。レーウ館長はついに辞任し、退職する学芸員も出る始末。この事態、“迷走”という言葉以上にふさわしい言葉もない。

 しかし、文化にかかわる問題は、価値観の問題でもある。A氏とB氏の価値観が、まったく同じということは、そもそもない。ひとつのプランについて、賛否が分かれるのは当然のことだ。
 それを如何に折り合いをつけて着地させるのか。それが、文化に携わる人間の叡智でもある。

 「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」を観て思ったことは、≪アムステルダム国立美術館は、したたかだ≫という感想。
 こんな擦った揉んだの“迷走”も、みずからをPRする手段にしてしまう逞しさ。
 巨大な絵画を保管する収蔵庫の中まで見せてしまう。
 この映画を観た人は、誰もが一度はアムステルダム国立美術館へ行ってみたいと思うだろう。 

 そのアムステルダム、計画は現在も停滞中という。

 ぶつかったり、争ったり、挫折したり… それこそ人生、それこそ歴史。
 しんどいけれど、粘り強くやっていきましょうや。



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