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映画「細雪」を観る






 九条(大阪市西区)に、シネ・ヌーヴォという映画館があります。
 2月になって、「浪花の映画の物語 その1」という特集上映をやっていたのですが、今日ようやく観に行ってきました(でも、明日で終わってしまう…)。


浪花の映画チラシ


  私は、学生時代から、谷崎潤一郎の愛読者。今回は、「卍」と「細雪」が上映されましたが、今日は「細雪」を観ました。1959年・大映、島耕二監督作品。
 
 「細雪」は、蒔岡家の4姉妹の物語なのですが(英訳のタイトルは、Makioka Sisters というくらい)、三女の雪子を山本富士子が演じている。これが綺麗なのですね。雪子は、おっとりしていて、お見合いをしたりしている。一方、四女の妙子(叶順子)は、行動的・開放的で、男性とラブロマンスを繰り広げる。その対照が、この映画でも軸になっています。

 原作に比べると、妙子のラブロマンスにかなりウェイトがある印象。中盤、妙子と啓ぼん(川崎敬三)と板倉(根上淳)の三角関係に描写が費やされます。
 板倉と死に別れ、勘当された啓ぼんにも愛想を尽かした妙子は、バーテンダーの三好と付き合います。名もある蒔岡家的には、みっともない関係という位置づけになります。

 ある日、雪子は、独り、飲み屋街にある三好の店を訪ねます。三好に追い返されますが、妙子を思う強い気持ちに、この人なら大丈夫との確信を持ちます。
 東京から長姉の鶴子(轟夕起子)がやって来ると、雪子は妙子の結婚のことを切り出します。幸子(京マチ子)は反対しますが、鶴子はあっさり認めてくれる。
 この前のシーンで、鶴子と幸子は、売り払った蒔岡家の跡地を通ります。そこでは、ビルディングの建設工事が行われている。幸子は涙ぐむのですが、東京で苦労した鶴子は案外サバサバした表情なのです。

 ラスト前は、阪急電車に乗り込む妙子と三好へ、雪子がガラスドア越しに、姉たちが結婚を認めたことを伝えるシーン。実は、原作の末尾は、嫁入りする雪子の話で、汽車に乗ってからも下痢が止まらなかった、というくだりなのです。そこに、雪子がかつてつくった「きょうもまた衣えらびに日は暮れぬ 嫁ぎゆく身のそぞろ悲しき」という歌が記されている。
 映画は、これとは対照的で、貧しい生活を承知で、好きな男性と結婚しようとする妙子のたくましさ、それを認められるようになった鶴子の強さ、そして迷いつつも前に進んでいく雪子の芯の通った生き方を、それぞれ強調します。

 戦後、昭和34年(1959)に撮られた作品ですが、女性の強さを感じさせ、こういう原作の解釈もあるかなと思いました。
 


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