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これが“ニセモノ”とは!?






 ここ2、3日、私の頭を支配しているのは、大阪・淀屋橋にある住友ビルディング。つまり、旧住友銀行(現・三井住友銀行)の本店だったビルです。


   住友ビル


 大正末から昭和初期にかけて建築されたビルで、大阪を代表する、否、日本の20世紀建築を代表する作品のひとつとして、大川端にそびえ立っています。

 このビルについて、一昨日、子細に眺めていたら、いくつも疑問が湧いてきました。
 そのひとつが、この建物の外壁。
 私はこれまで、その黄色っぽい壁が、兵庫県高砂付近で産する「龍山石(たつやまいし)」だと思っていたのです。各種の書物にもそう記されています。


   住友ビル


 ところが、造られた当時、雑誌「建築と社会」に紹介された際、その外壁は「龍山石人造石」だと記されているのです…

 「人造石」 !?

 なんということ! 本物じゃないのか !!

 いてもたってもいられず、今日、仕事の帰り、淀屋橋に行って、暮れなずむ住友ビルを熟覧しました。
 ミュージアム等で使う単眼鏡を使って、綿密に壁を見ると…。 果たして、人造だった…

 いわゆる擬石(ぎせき)というやつで、モルタルに砂利等を混ぜて「石」のように見せる手法でした。
 もっとも、玄関周りの目立つ部分には本物の龍山石を使っており、それ以外の大部分に擬石を用いています。モルタルに混ぜられている砂利は、おそらく龍山石を砕いたものでしょうね。


   住友ビル


 写真の左側が本物の龍山石を使った部分。右側が擬石(人造石)です。近寄って見ると、はっきり分かります。


 それにしても、“ニセモノ”と分かってからも、どうも“本物”の石に見えて仕方がない。それほど、よくできています。

 坂本勝比古先生は、「住友本社ビルといえども費用の節減を図っていることがうかがえ、そこには住友の社風であった質実な精神の一端が読みとれる」と指摘されています。
 たしかに擬石の使用は経費節約なのですが、この巧みな技は、職人の技術の高さを示して余りありません。そこがまた、住友のグレードだと納得するのです。

 帰宅時、単眼鏡でビルの壁を見ている私は「?」な存在以外の何ものでもないのですが、学問って、そういうときが一番愉しいんですよね(笑)




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