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為末大『走る哲学』






 ロンドン五輪も中盤。陸上競技も始まりましたね!

 五輪に出るようなトップアスリートの思考は、往々にして、われわれの想像するところとは懸け離れているものです。
 今日ご紹介する1冊は、為末大『走る哲学』(扶桑社新書、2012)。


   走る哲学


 為末選手は、世界陸上の400mハードルで2度の銅メダルを獲得した日本記録保持者です。ロンドン五輪の出場はならず、第一線を退きました。
 その果敢な走りは「侍ハードラ―」の異名を取り、現役時代から「ストリート陸上」開催に象徴されるように、陸上競技の普及や社会貢献に強い関心を持ってきました。その経歴も、大学卒業後、大阪の有名企業に入るのですが、すぐにやめて、プロとして世界を転戦する道を選びます。企業所属のアスリートが多かった当時、為末選手の選択は注目を集めました。

 実際のレースを見ると、とても速いのです! ハードル選手としては小柄な方なので、速さがより強調されるのでしょうね。
 最後となった大阪・長居でのレース、1台目でこけちゃいましたが、彼らしい清々しいラストランでした。


長居競技場の日本陸上


 その著書『走る哲学』は、2年間つづけているツイッターを活字化したもの。アスリートの日々の思考が生き生きと綴られています。

 内容を少しだけご紹介します。



 僕らの仕事はやっぱりどこまでいっても結果が全てで、勝たないとどうにもならない。

 (中略)

 勝負強くなりたくて勝負にこだわり続ければ、自分の中で勝ち負けの比重が大きくなりすぎて、勝負に強いストレスを感じる。反対に勝負にこだわらないと勝ち負けの比重が大きくないから、いざ勝負の時にのびのびプレーできたりする。失敗したら終わりですよと言うと大体みんな動きが悪くなる。

 アメリカに来て驚いたのは、子どもに関しては徹底して結果主義じゃない事。とにかく努力と姿勢を褒める。それがオリンピックとかになると急に結果主義になる。なのに勝負強い。負けて選手村に戻ってきて、次があるさ、という風に平気で笑いながら食事をしている姿が印象に残っている。

 (中略)

 子どもを勝負弱くさせるのは簡単。失敗したらおしまいだよと言い続ける事。そうすれば失敗を恐れ、挑戦を恐れ、評価を気にするようになり、縮こまる。

 (中略)

 恐れは心を縛り、動きも縛る。そもそもその恐れが何処から来ているかをよく知るのが結果につながる。結果を出すために結果にこだわらないで楽しむ姿勢でいるという矛盾を、自分の中に上手に同居させる事が大事だと僕は思う。 (「結果を出す事と結果にこだわる事」)



 五輪中なので、それに絡んだ項をご紹介しました。でも、これはスポーツに限らず、いろいろなことに当てはまりそうですね。

 要は、人間の(あるいは自分の)心の動きを把握して、それをコントロールすることが大切だと、為末さんは言います。
 「調整がうまいという事は、安定できる事ではなく揺らぎがコントロールできる事」(「変化をつける」)という言からも、それはわかります。

 1冊のなかに、どこか自分の琴線にふれる箇所があるような本。
 オリンピック観戦のお伴としても最適です。
 
 



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